オト、

冴え渡る風
規則正しく跳ねる雫
無遠慮に入り込む電話
鼻歌自転車
君の鼓動
現実味の無い流行りのラブソング
カレンダーを破り取れ
言葉を綴る万年筆
今、その瞬間を
過ぎ行く時間
(『――僕に聞こえるこの音、ねぇ、君には聞こえている?』)
耳元で何て言った?/ 続く雨音を聞く午後も悪くない。/ こっちの都合も関係なしに。/ 今日はいいことあるのかな。/ 何よりも落ち着く。/ 皆は好きなんだよね、でも君のコトバの方が好き。/ 一枚破り捨てて新しい時間に。紙を破る音には決意が込められてると思う。/ インクが紙に伸びる音。口に出したらこんなにも穏やかには伝えられないから。/ シャッターチャンス!/ 秒針が作り出す音で今は過去になる。